老年期の終わり[藤子・F・不二雄]

今回も藤子F氏のマイナー作品紹介。

老年期の終わり

これは少年向けの短編である。

銀河系のとある惑星。
その星には地球人が移住して5000年の月日が経っていたが、その役目を終え、住人は皆地球へと引き返そうとしていた。
そんな時、一隻の宇宙船が不時着してきた。
中には冷凍冬眠された乗組員が一人のみ。
彼は6000年前に地球から異星の調査の為に旅に出たと言う。
しかし彼が飛び立ってから数百年後にワープ航法が確立し、現在では地球まで60日ほどで辿り着ける。
その事実に彼は家族を捨てて旅した6000年が無駄になったと絶望してしまう。
政庁の司書の老人が語るに、出生率が低下し、宇宙各地で撤退が進み、人類そのものが老年期に入っている。
そんな話に嫌気がさした彼は、自分の乗ってきた宇宙船に乗り込み、再び旅に出ることを決意する。

良く栄華を極め、その後衰退していく人類を「熟しきった果物が腐って落ちる」と表現するが、これもそんな感じの話である。
手塚治虫氏の火の鳥の中にも、人類はある程度まで栄えると、そこから進歩しなくなるという話があるが、本当だろうか。
今現在、まだまだ人類には栄える余地があるので、私が生きているうちはそうならないだろうが。

で、藤子F氏は緩やかに人類が衰退していく未来を描いている。
しかし希望も描いている。

やや難しい話かもしれないが、小学高学年以上ならば理解できる話ではないだろうか。



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バラとゆびわ[藤子・F・不二雄]

予告どおり藤子F氏のマイナー作品紹介。

バラとゆびわ

これは藤子F氏の作品の中でも、かなり初期の作品になる。
初期過ぎて、馴染みのある絵柄とまるで違う。
どちらかと言うと手塚治虫氏に近い。

さておき、これはサッカレーという作者の書いた物語を原作とし、藤子F氏が漫画化した話である。
少女向けに作られていて、とある王国のお姫様が主人公だ。
内容は子供向けになっているが、簡単に言うと国家間の陰謀に巻き込まれた別の国の王子と王妃が、苦難の道を乗り越え結ばれるという話だ。

淡々と読み進められるようになっているが、深読みすると結構難しい話だ。
一度読んだだけでは頭に入らない。
それでも面白かったという印象は残っている。

今度、もう一度読んでみようと思う。



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アチタが見える[藤子・F・不二雄]

暫く藤子F氏のマイナー作品紹介になるかもしれない。

アチタが見える

もうこの作品に関しては完全ネタバレで紹介することにする。

これは予知能力を持った娘の父親が主人子の話である。

娘は幼い為、自身の能力のことが良く解っていない。
自分の身の回りの未来の出来事が時々「見える」ようだ。
しかし父親はそのことを「偶然」と考えている。

ある日父親が同僚を家に連れて行くと、娘はその同僚が車に撥ねられる様子を描いた絵を持ってきた。
同僚は怖くなり、自宅に引き篭もってしまう。

後日、この娘の噂を聞きつけた記者が娘にインタビューをする。
社会情勢や政治に関しての今後を訊くが、娘にはチンプンカンプンである。
そこで記者は娘の両親の事を訊く。
娘は「良く解らない」と前置きをしてから記者に耳打ちをする。
すると記者の顔がみるみる青くなり、その記者は逃げるように去っていった。

そして娘は「パパとママを描いた」と一枚の紙を両親に見せる。
そこに描かれた人物は父親と母親には似ても似つかない二人だった……。

と、ここで物語りは終わる。
藤子F氏の短編で時々ある、きっちり結末を描かず投げっぱなしで終わるタイプの作品だ。

一体この最後の絵はどう解釈すれば良いのだろうか。
色々と伏線はある。
あらすじの紹介では省いたが、父親は娘の能力を使って宝くじを当てている。
そして両親の未来を訊いた記者の反応。

考えられるのは、両親はなんらかの事故、しかも宝くじに関連する事故に巻き込まれ死亡し、娘は養子に取られるというパターン。
他には娘が描いた両親の絵が真実で、主人公が彼女をさらって自分の娘として育てているパターン。
これならば、事実を訊いた記者が慌てて帰ったのも納得できる。

と、考えれば考えるほど、背筋が寒くなる作品である。



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ミノタウロスの皿[藤子・F・不二雄]

今日もゼルダで書くことがないので、こちら。

ミノタウロスの皿

これはファンの中では全くマイナーではない、藤子F氏のSF短編である。
藤子F氏が初めて書いた少年向けでない話で、結構鬱になる話だ。

主人公は21エモンそっくりの宇宙飛行士で、ただ一人とある星に不時着した。
救助がくるまで暫くこの星に滞在することになった主人公は、地球人と全く同じ姿で言葉が通じる種族のミノアという女性に恋をする。
が、この星の支配者はミノアの種族ではなく、ズン類と呼ばれる、二足歩行する牛のような種族だった。
ミノア達はズン類の食用の家畜なのだ。
ミノアはその中でも最高品種で、いずれズン類に食べられることが決定しているのだが、それを何とか止めようとする主人公の奮闘が描かれる。

とまあ、牛と人間の立場が入れ替わった話を描いている。
ただ一点違うのは、ズン類ミノア達は、言葉で完全に意思の疎通が出来るのだ。
これにより、ズン類が非道、もしくは冷血に見える。
とにかく、最後の一コマも含めて、非常に考えさせられる話である。

是非、ご一読を。



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未来の思い出[藤子・F・不二雄]

ゼルダで書くことがなくなったので、久々にこちら。

未来の思い出

この作品は、ドラえもんを除く、藤子F氏の最後の連載漫画である。
所謂ループ物と呼ばれるもので、主人公の漫画家は記憶はそのままで、ある一定期間の人生を何回もやり直すというものだ。
このループ物を作中の漫画家も「手垢のついたネタだ」と言い放っているが、もうこれは一つのジャンルとして確立させてしまって良いような気がする。

さて、この漫画家、とある作品が大人気になって非常に有名になったのだが、その作品も徐々に飽きられ連載が終了し、その後はパッタリと言った感じである。
簡単に言えば、一発屋だ。
そしてあるゴルフ大会でホールインワンを出してしまい、そのショックで漫画家として駆け出しの頃に戻る。
それから彼がどんな人生を送ってきたが語られる。

で、途中で人生をループしていることに気付き、彼は次のループで理想の人生を歩むことを目指すといった感じだ。

どう見ても、主人公の漫画家のモデルは藤子F氏で、かの有名なトキワ荘っぽい下宿も出てくる。
彼の友人も他の実在していた漫画家っぽく、まるでまんが道を読んでいるようだ。
が、SFっぽい匂いは常にしている。
主人公が大きく運命を変えようとすると、激しい頭痛がして、上手く軌道を変えられないというのも面白い。

まあ、子供向けの作品ではない。



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